用地取得 ・ 相続登記未了地

相続登記未了の土地を、
開発工程の中で処理する。

開発予定地や事業用地取得で、登記名義人が亡くなったままの土地、相続人が多数に分かれた土地、一部の相続人の所在が追えない土地が残ることがあります。相続登記義務化後も、古い相続登記未了地は実務上のリスクとして残ります。

相続登記未了の土地が残る用地取得・開発案件
Photo by Tsuyoshi Kozu / Unsplash
対象
用地取得・再開発
典型場面
相続登記未了地
確認事項
戸籍・所在調査
検討制度
管理人制度

義務化後も、古い未了地は残る

令和6年4月から相続登記が義務化されました。ただし、用地取得や開発の現場で問題になるのは、義務化後に新しく発生する相続だけではありません。何十年も前に登記名義人が亡くなり、その後の相続が何代にもわたって積み重なっている土地があります。

相続登記義務化は重要な制度ですが、過去に積み上がった相続登記未了地を一気に消すものではありません。開発予定地に古い名義の土地が残っている場合、個別に調査し、売買や処分に使える制度を検討する必要があります。

初期調査で見るところ

01
登記名義人
名義人が生存しているか、死亡している場合はいつ相続が発生したかを確認します。
02
相続人の範囲
戸籍を辿り、相続人が何人いるか、さらに代襲や数次相続が起きていないかを整理します。
03
所在確認
住民票、戸籍附票、郵便送付、現地確認など、どこまで調査したかを記録化します。
04
制度選択
所有者不明土地管理人、不在者財産管理人、相続財産清算人など、目的に合う手続を比較します。

相続人が分かる場合と、分からない場合

相続人の範囲が分かり、全員と協議できるなら、通常は売買や遺産分割、相続登記のルートを検討します。しかし、相続人が多数で全員の同意が難しい、一部の所在が追えない、海外在住で連絡が取れない、相続人の存在自体が明らかでないといった事情があると、通常の売買では進みにくくなります。

この場合、所有者不明土地管理人、不在者財産管理人、相続財産清算人などを比較します。どの制度を使うかは、誰が不明なのか、対象が土地だけなのか、必要なのが売買なのか境界確認なのか、事業工程上どれだけ時間を取れるのかによって変わります。

事業工程に入れる

相続登記未了地の処理は、単に登記を直す作業ではありません。事業用地として取得するには、価格資料、売買条件、裁判所の許可、登記、管理命令取消しなど、後工程まで見て設計する必要があります。対象地一覧、区域図、取得済み区画、問題区画、戸籍調査の状況を並べ、どの土地から手続に入るかを決めます。

売買契約や許認可の直前に初めて調査すると、工程に入らなくなることがあります。デューデリジェンス段階で、古い名義、相続登記未了、共有者多数、一部所在不明を拾うことが重要です。

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よくある質問

相続登記が義務化されたので、用地取得ではもう問題になりませんか。
義務化後も、過去から残っている相続登記未了地はすぐには解消しません。開発予定地では、古い名義の土地や相続人多数の土地を早期に拾う必要があります。
相続人の一部だけ連絡が取れない場合も所有者不明土地管理人ですか。
必ずそうとは限りません。相続人が特定できているが所在不明の人がいる場合には、不在者財産管理人が問題になることもあります。対象土地、必要な処分、調査状況によって選択します。
いつ相談すべきですか。
登記名義人の死亡、住所不明、相続人多数、一部所在不明が分かった段階が目安です。売買契約や許認可の直前ではなく、デューデリジェンス段階で検討する方が工程に入れやすくなります。

相続登記未了地を含む用地取得の相談

登記情報、対象地一覧、区域図、戸籍調査の状況があれば、制度選択と事業工程への組み込み方を検討します。